平成18年、UR賃貸住宅の原状回復義務が免除されることとなり、賃貸住宅でありながら玄関カギのシリンダー交換が可能になりました。入居者の意志で旧型URカギから最新のディンプルキーなどへのシリンダー交換が出来るので、気軽にセキュリティ性能を高めらるようになりました。ここでは、この制度の詳細から交換すべき鍵・防犯性能をアップさせる方法などをまとめました。

UR賃貸住宅の模様替え基準によるシリンダー交換ルール

以前は「公団住宅」と呼ばれていたUR賃貸住宅は、都市再生機構が扱っている賃貸住宅の通称です。「UR賃貸住宅の模様替え基準」によると、玄関鍵（シリンダー）の取り替えルールは（※）、玄関扉への補助錠の設置、玄関錠のレバーハンドル化、ドアガードの取り付けについては原状回復義務が免除となっています。その費用は入居者自身が負担するのですが、UR賃貸のセキュリティ性能に不安があった方には非常に嬉しい変更と言えます。※「他の錠前部に損傷を与えず、玄関扉建具（枠共）に切欠・穿孔を行わないものに限るものとし、うち都市機構が適合すると認めるシリンダーの場合は免除」という条件があります。

ディスクシリンダーはぜひ交換を！

近年、玄関鍵の不正開錠の手口はピッキング・カム送り・サムターン回しなど多様化しています。また鍵を破壊して開ける破綻と言う方法もあり、巧妙かつ大胆にもなっています。特に団地やアパート、マンションでは旧型の鍵を使用しているところも少なくありません。旧型の代表的な鍵である「ディスクシリンダー錠」は、鍵にギザギザが付いていて鍵穴がくの字のもの（美和ロック「UR錠」など）ですので、ご自宅の鍵を一度ご確認ください。旧型のUR錠など、ディスクシリンダー錠は国内では最も有名ではありますが、ピッキングには非常に弱い作りになっているため早めの交換を強くお勧めいたします。

UR錠をディンプルキーへ交換

UR賃貸住宅シリンダー錠をディンプルキーへ交換することをお勧めいたします。ディンプルキーは鍵の表面に大きさや深さが異なるくぼみが複数ついていて、その複雑な鍵穴形状によりセキュリティ性能の高いシリンダー錠と言えます。そのセキュリティ性能が高いゆえにスペアキーが作りにくい点はメリットにもデメリットにもなるので、セキュリティ性能がアップした最新のディスクシリンダーへの交換もお勧めできます。

工具などを使用することなく簡単に補助錠の設置が可能な防犯対策商品も販売されています。玄関扉の内側に両面テープで金具を取り付け、外側にロック本体をつけるタイプの補助錠がお勧めです。また、すでに空き巣の被害に遭われてしまった方で、住宅総合保険で盗難補償のついた火災保険に加入していたなら、鍵交換費用の支払いが適用されるケースもありますので確認してみてください。UR賃貸住宅にお住まいで、交換パーツの選択や補助錠の設置でお困りでしたら、鍵と住宅のプロにお任せください。