ディンプルキーの複製費用が驚く程高い理由とは
ディンプルシリンダー錠のスペアキーの複製費用が驚くほど高いのはなぜでしょうか。このページではディンプルキーの仕組みについてまとめています。購入時は手ごろなディンプルキーが、複製となると刻みキー(ギザギザ鍵)と比べ高い理由などご説明いたします。
ディンプルキーが一般的になったきっかけとスペアキー複製が難しい点
ピッキングによる住居侵入窃盗事件は2000年前後に爆発的に被害数が増え社会問題になりました。しかし錠前メーカー各社の企業努力により、耐ピッキング性能を持つ防犯性能の高い鍵が出現。次々とこれらに置き換えられ、容易にピッキングされてしまうシリンダー錠は、現在かなり減少しています。ディンプルキーはピッキング対策により、広く普及したわけです。
従来のキーはシリンダー内に障害物として2方向のピンが設置されていましたが、ディンプルタイプはピンが4方向と鍵違いも格段に増え、多方向のピンを同時に揃えなければならないのでピッキングが困難なのです。
またディンプルキーの複製は、従来の刻みキーと全くキーの形状や鍵山が異なるため、削り出しは専用の装置を使う必要があります。このためスペアキーが必要になったとき、街の鍵屋さんでは装置やブランクキーの用意がなく、鍵の複製が不可能なため断られてしまう場合があります。
ディンプルキー複製費用の相場
上記の通り、ディンプルキーのコピー作製をしてくれる鍵屋さんが少ないのが現状なのですが、運よく複製を受け付けてくれる鍵屋さんを見つけたとしても覚悟しなければならないのが「複製費用」です。従来の刻みキーでしたら作製費用は5~600円で済みますが、ディンプルキーは2,500円~3,000円が相場となっており、作成費用は高止まりしています。
その理由として挙げられるのは、他の鍵と比べて複製作業に時間が掛かることです。一般的な鍵であれば5~10分で完成しますが、ディンプルキーでは15~30分と倍以上かかり、高い技術も必要となってきます。このような理由から鍵屋さんの中には、受付だけ店で行い、複製作業自体を全てメーカーに発注する鍵屋さんもありますので注意が必要です。
複製が不可能なディンプルキー
また防犯性能が高いディンプルタイプシリンダー錠には、「ユーザー登録をした本人以外はスペアキーを作製することができない」というセキュリティがしっかりしたキーもあります。その場合は、ご自身で身分証明とユーザー登録の控えをメーカーに送り取り寄せる必要があります。そのため、手元に届くまでには数週間かかることもあります。鍵屋さんでは取り寄せ対応はできませんが、取り寄せまでの流れは説明してくれるでしょう。