金庫の耐久性を高くしたい時は耐火金庫への交換を検討しましょう
金庫の耐久性を高くしたい時は耐火金庫への交換を検討しては如何でしょうか?耐火金庫とは書類・紙幣・データの入ったディスクなどを火災によって消失することから守るための金庫です。耐火材を封入してあり火災時には耐火材に含まれる水分が蒸発し気化熱を奪うことで金庫内の温度を低く保つ働きをしていますが、耐火性能は徐々に落ちてきますので寿命があるものです。ここでは耐火金庫の耐火性能や交換時期などを見ていきます。
耐火金庫の耐火性能
耐火金庫の耐久性はJIS規格によって0.5時間・1時間・2時間・3時間・4時間の5種類にわけられています。消防白書によると火災通報から消火活動開始までにかかる時間は95パーセントが15分以内、一般住宅の消火にかかる時間は30分程度となっていますが、必ずしも出火直後に通報され最短時間で消火活動が始まるわけではありませんし、夜間など無人時に火災が発生することも考えあわせ耐久性能の検討を行う必要があります。またデータディスクやフィルムなどは耐火材の水分蒸発時の湿度で内容が消失する可能性があるため、データメディア対応の耐火金庫というものも存在します。このように耐火金庫は用途と耐久性を考えあわせたうえで選択することが肝心です。
耐火金庫の素材と寿命
耐火金庫の有効耐用年数は概ね製造後約20年ほどと考えられていますが、これは耐火材の水分量が徐々に減ってくることによります。耐火金庫の本体は主にセメントで出来ており、このセメントに水分をもたせることで耐火性能を実現しています。耐火金庫の水分は耐火材と結合しやすい結晶水と結合しない自由水があり、結晶水は経年変化でほとんど水分量が変化しませんが、自由水は徐々に減っていき製造後20年ほどで双方合わせ20パーセントほどの水分が消失します。この水分現象に伴い製造後20年で概ね20パーセントほど耐火性能が低下すると考えられています。使用条件や設置環境によっても耐火性能の低下率は異なりますが、20年後の耐火性能目安としては、1時間耐火金庫で30分から1時間、2時間耐火金庫で1時間半から2時間、3時間耐火金庫で2時間半から3時間、と考えられていますので経年変化による耐火性能低下及び交換時期の目安としてください。また耐火金庫はその名の通り耐火性を重視した金庫で工具などを使用した攻撃には強くないため、防犯性も担保したいのであれば防盗金庫を選択する必要があります。通常は防盗金庫も耐火性能を持っていますので、防盗性能と耐火性能を合わせて検討してください。