一口に「金庫」といってもその性能や利用目的は様々です。現在ご家庭やオフィスでご利用中の金庫の種類や性能を正確にご存知でしょうか？金庫は中の物を守るために存在するものですから、ちょっとしたトラブルで持ち主にさえ開けられなくなってしまうことがしばしばあるものです。ご利用中の金庫の種類と特徴を知っておくことで、いざといった時に間違った対応を行わずに済み迅速なトラブル解決が可能になります。備えあれば憂いなしというよように、この機会にご使用中の金庫の種類と特徴を確認しておくことを強くおすすめいたします。

金庫鍵の種類

銀行などの金融機関で利用される大型金庫から、小銭や切手・収入印紙などの金券類を収納する手提げ金庫まで、ご家庭や企業で使用されている金庫類には様々なものがあります。ここでは「鍵が開かなくなった」などのトラブルが頻発する、一般的な据え置き型金庫の種類と特徴について説明します。金庫の施錠方式としては、くるくる左右に回して暗証番号を合わせるオーソドックスなダイヤル錠や、近年増えてきているプッシュ式のテンキー錠以外にも、指紋認証やマグネットなどによる磁気ロック、ギザギザ鍵・ディンプルタイプなどのキーを使用するものなどがあり、これらを複数組み合わせて利用しているタイプが多く存在します。もちろん鍵開けの難易度は鍵を多数持っているもののほうが難しくなりますが、業務上開け閉めの回数が多いなど防犯性能よりも実務上の利便性に重きを置いた、シリンダー状一つで鍵開け可能なタイプや、くるくる回さず左右に番号を合わせるだけでスピーディーに鍵開け可能なダイヤル式ロックを採用した金庫も存在します。

耐火金庫と防盗金庫

次に金庫自体の性能と特徴になりますが、広く一般に使用されている金庫は大抵が耐火金庫です。耐火金庫はその名の通り火災時に中に収納した書類などを守るための金庫で、頑丈そうなその見た目とは裏腹に防犯性能はそれほど高くありません。ニュースなどで見聞きするとおりバールなどの工具を使用すれば簡単に扉をこじ開けられてしまいますので、頑丈そうなイメージで狙われにくいという防犯性はあるものの、プロの窃盗団などにかかればひとたまりもありません。このため電動工具などの攻撃に対応可能な、いわゆる硬度の高い超合金を使用して作られているのが防盗金庫となります。防盗金庫は耐火金庫の耐火性能にプラスして、シリンダーやダイヤル錠などにも防御用の硬質な金属プレートを埋め込むなど耐攻撃性に優れています。また金庫の耐火性能は概ね20-30年程度で寿命となり、火災時に中に収納したものを守れなくなりますので、いつ製造されたものなのかをしっかり把握しておくことも重要です。