いざというときに知っておきたいダイヤル式金庫の構造・仕組み
ダイヤル式金庫とは、大きなツマミに細かい目盛りがついた誰もがイメージする金庫のことです。このページでは「いざという時に知っておきたいダイヤル式金庫の構造・仕組み」と題して、金庫のダイヤル錠部分の仕組みを詳しくお伝えしていきます。
ダイヤル式金庫錠の構造
ダイヤル式金庫のダイヤルの中には、その暗証番号の数と同じ枚数の円形の「座(ディスク)」が入っています。「右へ4回30、左へ3回17、右へ2回20、左へ1回38」といった4回合わせる一般的な金庫は、ディスクが4枚入った「4枚座」と呼ばれるタイプになります。これらのディスクには「切り欠き」と呼ばれる窪みが暗証番号部分に入っているため、暗証番号を揃えると4つの窪みが揃ってロックが解除されるという構造になっています。
ダイヤル式金庫の暗証番号が合う仕組み
ダイヤル式金庫の各ディスクは、ダイヤルツマミの中心を通るシャフト(芯棒)に貫かれる形で格納されています。この時一番奥にあるディスクはシャフトに固定されていて、最後に合わせる番号(この場合38)のディスクとなります。その他のディスクはシャフトには固定されておらず、各ディスク上にある爪に引っ掛けて受動的に動かされます。最初に4回右回ししてから暗証番号を合わせ始めるわけは、一番奥のディスクを回し始めて順次手前のディスクを引っ掛けて動き始めるため、4周以上させた時に一番手前の最初に合わせる番号のディスクが確実に動き始めることによります。「最初の番号に関しては4周以上であれば何回まわしても良い」というのはこれが理由です。次に手前から二番目、三番目と順次逆回しであわせて行きますが、それぞれ逆回しにすることで新たに一番奥のディスクから動き始めるため、既に揃えたディスクの番号を動かさずに順次暗証番号を合わせていけるのです。また切掛けは若干大きめに取ってあるので、1~2目盛り程度であれば誤差が許容される場合がありますが、番号を通りすぎた場合は既に合わせた番号のディスクも動いてしまうため、最初からやり直しせざるを得ないという事です。
ダイヤル式金庫の錠とドアレバーの関係
金庫のドアレバーは玄関ドアなどと同じデッドボルト(施錠時にドア枠にはまる四角い金属の塊)を動かすことで金庫の扉をロックしています。鍵が掛かった状態では、ダイヤル錠内のディスクが邪魔をしてドアレバーは動きません。暗証番号を揃えてディスク全ての切り欠きが揃った時に、レバーの動作を妨げている部品がその隙間に逃げられるためレバー操作が可能になります。ダイヤル式金庫の基本動作はこのようなものですが、実際にはダミーの切り欠きを入れるなど、各メーカーそれぞれが自社のプライドを掛けて技術の粋を凝らしているのが金庫錠です。不正な操作や衝撃を加えた場合により強固なロックが掛かる仕組みを持っているものも多いため、プロの腕を持ってしても解錠が困難になるケースがあります。金庫が開かなくなって困ったときはなるべく触らずプロの鍵屋にご相談ください。