空き巣対策にはアンチピッキングピン付のシリンダーへ交換を
シリンダー錠の仕組みを簡単に説明します。シリンダー錠には外筒と中筒がありその境目を通貫する形で複数の円柱状の穴が空いていて、この穴にはキーのデコボコに合わせて長さの異なる「ピン」と呼ばれる円柱状の部品が仕込まれています。施錠状態では、このピンがバネの力で外筒から鍵穴方向に押しこまれ、ピンが引っ掛かって中筒が回らないため鍵がかかる仕組みになっています。この複数あるピンをピックと呼ばれる工具を使用し鍵のデコボコと同じ高さまで順番に押し上げ、強制的に開錠してしまうのがいわゆる「ピッキング」と呼ばれるテクニックですが、未対策シリンダーへは依然としてピッキングが有効な攻撃方法であることは間違いありません。
アンチピッキングピンとは
このピッキング対策として考案されたのが「アンチピッキングピン」です。これはピンの形状に不正開錠が難しくなる工夫を施した物で、旧来は素直な円筒形だったピンに凹みを作って遊びを持たせ、正規の鍵を挿入した時のように綺麗に垂直に押し込まないと、外筒と中筒の境目にピンが引っ掛かって鍵が回らない構造によりピッキングの難易度を飛躍的に上げたものです。このピンの名称はその形状から「マッシュルーム」「スプール」「ノコギリ型」などと呼ばれ、それらの総称がアンチピッキングピンとなります。
空き巣が狙いにくいアンチピッキングピン付きシリンダー
空き巣にしてみれば、素早く家の中に入ってしまえば人目を気にせずやりたい放題ですから、金目のものさえあれば進入に時間がかかる家を無理に狙う理由はありません。皆さんも、ものの数秒でドアを開錠してしまうピッキング映像をご覧になったことがあると思いますが、このようにアンチピッキングピン付きでないシリンダー錠の家は空き巣にとって格好のターゲットとなってしまうのです。
耐ピッキング性能について
ではどの程度の時間ピッキングに対する耐性を持たせれば良いのでしょうか?平成15年9月に施行された「特殊解錠用具の所持の禁止等に関する法律」(ピッキング法)によって平成16年4月より指定建物錠(住宅の玄関や建物の出入り口に使用される建物錠のうち、特に防犯性能の向上を図ることが必要とされたシリンダー錠・シリンダー・サムターン)は防犯性能の表示が必要となりました。その中で耐ピッキング性能に関しては、5分未満、5分以上10分未満、10分以上の3段階の基準があります。こちらを参考にして選択されると良いと思いますが、弊社担当にご相談いただければ詳しいご説明をいたしますのでお気軽にご連絡ください。