不法な侵入による窃盗被害は何としてでも防ぎたいものです。ピッキングなどの不正解錠を防ぐには、高セキュリティの錠前に交換するという非常にシンプルな方法で可能になります。防犯性能の高いピンシリンダー錠についてまとめました。

ピンシリンダー錠のピン数とセキュリティ性能

シリンダーとは、鍵を挿し込む鍵穴部分のことを言います。ピンとは、シリンダー内部に埋め込まれた障害物（タンブラー）で、通常はこれらのピンが邪魔をしてシリンダーは回らないのですが、正しい鍵が鍵穴に挿入された時だけシリンダー内のピンが邪魔をしない位置まで押し上げられて開錠できる構造になっています。またこの障害物にはピン状・ディスク状の物があり、ピンシリンダー錠・ディスクシリンダー錠と呼ばれています。従来からある鍵の片面がギザギザの刻みキーも、新しいタイプである小さな凹みのあるディンプルキーも、障害物を押し上げるという構造は同じでどちらもシリンダー錠になります。

ピッキングはこれらのピンを同時に揃えて不正開錠するので、ピン数が多ければ多いほど時間を要することになり、シリンダー錠のセキュリティ性能はピンの数に左右されます。ただし、ピン数が多いからといって絶対に安全とは言えません。不正解錠の手口は多岐にわたるため、その手口はピッキングだけではないからです。工具による物理的な破壊行為も増加しており、セキュリティを強化する上ではシリンダー本体の頑丈さも重要なのです。

ピン数が多く高セキュリティなディンプルシリンダー

ピン数が多く鍵穴破壊にも耐えうるものが防犯性能が高い鍵と言えますが、ではどのようなタイプの鍵なのでしょうか。やはり強くお勧めしたいのはディンプルキーになります。ディンプルキーはピッキングに対抗するために開発されたもので、近年急速に普及している鍵です。そのセキュリティ性能は非常に優れていて、プロの鍵屋でも容易には開錠出来ないほどです。また従来型のものは上下にしかピンがなかったのに対し、ディンプルキーは様々な角度にピンの追加が可能になりました。

セキュリティ性能を判断する際、鍵違い数が何通りあるかの確認を行うことも評価基準の一つです。ディンプルキーは鍵違い数100億通り以上のものも数多くあります。現在、国内外の鍵メーカーから色々なタイプのシリンダー錠が手頃な価格で販売されていますので、ご自身にあった性能や価格のものが見つかることでしょう。

ディンプルシリンダーのデメリットとは

セキュリティ性能が非常に高いディンプルキーですが、鍵の複製には時間と費用がかかるというデメリットがあります。ディンプルキーの複製には専用機材が必要になるため、街の鍵屋さんでは複製が難しいケースが少なくないのです。運良く複製可能な鍵屋さんを見つけたとしても、従来の刻みキーが数百円程度で複製可能なのに対して、ディンプルキーは１本2,500円前後かかります。ディンプルキーに交換する際には必ず付属のキーが何本かを確認してください。そしてご家族の人数をカバーできるシリンダーを選んでください。玄関鍵をより高セキュリティなものに交換する際には、鍵と住宅のプロにご依頼ください。